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〈物語〉シリーズの好きなところ〜哀愁漂う終わり方〜 ファイナルシーズン編

終わり方シリーズ(?)第3弾!

前回、前々回に続き、物語の締め方について見てきました。
↓URL参照
ファーストシーズン編http://www.animetrendinfo.com/912.html
セカンドシーズン編http://www.animetrendinfo.com/964.html

ここまでくれば、ファイナルシーズンも見ちゃいましょう!

語り部はファーストに立ち返り、阿良々木くんです。

アニメではまだ放送していない部分も含まれます。
※ネタバレありで書いていきますので、アニメ派の方はご注意ください。※

  憑物語

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出典:http://livedoor.blogimg.jp/conclusion01/imgs/c/b/cb14d4f4.jpg

そんなわけでしばらくお世話になるよ、と、斧乃木ちゃんは平然と言ったーー平然と、平淡と、無表情で、これから先、阿良々木家の、妹の部屋に居座ることを宣言した。
「ちょ……待てお前、ふざけんな!」
「お兄ちゃん、なにしてんの?私が私の力と私のお金で取ってきた人形に話しかけるとか、やめてよね」
「そうだよ兄ちゃん。まったく、兄ちゃんはいつまでたっても大人になれない子供なんだから」
「………」
妹たちからの非難を一身に浴びつつ、僕は斧乃木ちゃんの肩を揺すったが、しかし彼女はもう、人形の振りをしていた。
いや振りというか、まあ人形なのだが。
ざまあないわい、という声が、影の中から聞こえた気がしたーーそんなわけで。
おやおや。
騒がしい日々は、もう少しだけ続きそうだった。

終わりの始まりの物語、憑物語。
局面がどんどん最終決着へと向かっています。

正弦を殺し、怪異として阿良々木くんと色々あったあと、阿良々木家にやってきた彼女。
それが意味することとは?なんなんだー?!
と思わせる最後でした。終わってほしくないけれど、最後を見たい気持ち、好きな作品ではいつも思うことですね。

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  暦物語

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出典:http://blog-imgs-56.fc2.com/h/i/t/hitter7777/20130527061759a14.jpg

「あ。お目覚めですか」
と。大の字になったまま、何もわからずにいる僕を見下ろす影があった。
「それとも、これはこれは、寝た子を起こしちゃいましたかねーーララバイさん」
「……僕の名前を子守唄みたいに言ってんじゃねえーー僕の名前は、阿良々木」
反射的にそう言い返そうとして。
僕を見下ろす少女にそう言い返そうとしてーーツインテールで大きなリュックサックを背負った少女にそう言い返そうとして。
僕は、言葉に詰まる。
いや、もちろん、自分の名前を見失ったわけじゃあなくてーー
「でしたね。失礼、噛みました」
彼女はにこりと笑って言ったーーそれはかつて、僕が好きだった、大好きだった、太陽のような笑顔だった。
懐かしく。
もう見れないはずのーー
「で、これは阿良々木さんは試験会場に辿りつけず、入試に落ちたねっていうオチってことですか?」
「いや、そんなオチじゃ落ちれねえよ」

八九寺真宵、再登場!
これにはテンション上がりましたねー。
また会えた、この二人が…!でもここはどこなんでしょう?

出会った瞬間からあのやりとりをするあたり、コンビの息はピッタリです。
最後もこの二人らしく、しょうもない駄洒落で終わりです。

これはこれは、なんとも次巻が気になる展開で、うまいなぁと感じました。

  終物語(上)

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出典:http://www.monogatari-series.com/owarimonogatari/special/img/endcard/endcard01.jpg

老倉育。
あいつはすべての約束を守ったのだ。
おそらくは、教師もそんなに来ていないだろうほどの早朝だろうが、あいつは登校してきて、僕の机に裏に、この封筒を貼り付けていったのだ。
前触れもなくいきなりいなくなる。老倉は、そんな彼女ではーーとりあえずなくなったようである。
小さな変化だが、彼女の変化だった。その事実は嬉しくもあり、先を行かれたようで、ちょっと寂しくもあった。
ここは僕も成長したところを見せなければと、五年前のようにびりびりに破いたりせず、できるだけ丁寧に封筒を開けて、中から複数枚の便箋を取り出すーーさて、手紙の内容は数学のクイズだろうか、それともらしくもないお礼状だろうか、あるいは罵倒のメッセージだろうか。そのすべてということもあり得るけれどーーどれどれ。
「あはっ」
僕は思わず綻んでしまった。
なあ。なんて書いてあったと思う?

これもまた、気になる終わり方ですよねー。
内容教えてくれよ!
僕の想像は、おそらく”お前より幸せになってやる”的な内容だと予想しています。

全ヒロインの中でも老倉育推しとして、彼女には幸せになってもらいたい。
きっと、なれる。きっかけをつかむことができれば、すぐに。

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  終物語(中)


出典:http://blog-imgs-50.fc2.com/h/i/t/hitter7777/201402011034329f9.jpg

不幸でい続けることは怠慢だし、幸せになろうとしないことは卑怯だよ
そんなんじゃ自殺した先駆者も報われまいーーと言って、斧乃気ちゃんは踵を返し、自分の部屋、もとい、妹達の部屋へと向かう。
僕はその背に、「聞いておくよ」と言った。
誰も幸せになっていない。
僕も、忍も、誰一人。
今はそう思っているーー今もそう思っている。
だけどひょっとしたら今よりもずっと先、遥か遥か未来、たとえば四百年後とかには、その考えかたも少しは変わっているかもしれないと、そんなことを思いながら。
なあに、幸せではなくとも幸いなことに、時間はまだまだ腐るほどある。時間だけは、考える時間も、生きる時間も、うんざりするほどーー死体が腐って灰になるくらい、僕達にはあるのだ。
だけどそんな時間がなくなるのも、あるいは時間の問題なのかもしれなかった

死屍累生死郎との話を、思い出として語った後、阿良々木家での話。
受験当日の朝ですね。このあと暦物語のラストへと繋がっていくわけですね。

時間って不思議なものですよね。
楽しいときはあっという間、退屈なときはゆっくり。
そして過ぎてしまえば、すべてあっという間だったかのような気持ちになります。

これから先いくら時間があろうとも、まだまだあるなんて思っていてはいけないのかもしれません。今この一瞬を大事にしていかないと
なんて考えさせるようなラストでした。

 

 

※ネタバレ注意※

 

 

  終物語(下)

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出典:http://tsundora.com/image/2014/09/monogatari_series_626.jpg

僕は、所詮僕でしかないのだから。
忍野のようにでもなく、羽川のようにでもなく、僕のように、誰かの力になろう。
誰かが一人で助かるための力になろう。
と、悟ったようなことを格好つけて思いつつ、階段を昇り切った、そのときだった。
僕達は一人の女子生徒とすれ違うーー僕達には目もくれず、そのまま階段を降りていく女子生徒。スカーフの色から判断すれば一年生だった。おそらく卒業式に出席するために登校してきているのだろうが、どうして一年生が、三年生の教室があるエリアを歩いている?
そんな疑問もねじ伏せるほどに、その女の子は青ざめた顔をしていたーー体調が悪いというよりも心調が悪そうな、頼りのない、ふらふらとした足取りだった。
とても疲れている風であり。
何かに憑かれている風だった。
そう考えつつーー僕は足を止める。
ひたぎと羽川は、そんな僕を振り向いて、仕方なさそうに肩を竦める。シンクロした動きで、まったく、仲のよろしいことだった。
「行ってらっしゃい」
そういう声も、異口同音だった。
「ああ。卒業証書は、代わりに受け取っといてくれ」
行ってきます。
と言って、僕は手にしていた鞄をひたぎに渡し、昇ってきた階段を全段飛ばしで飛び降りるーーすれ違った一年生を追う。着地して踊り場でターン、僕の背中を見送る二人の視線を感じながら、更に階段を駆け下りる。
彼女が向かったであろう方向を探りつつ、一年生の教室がある廊下を駆けていく途中で、僕は一人の生徒を追い越すーー真っ暗な瞳の少女だった。
暗闇のような少女は冷笑しながら、言う。
「変わりませんねえ、阿良々木先輩」
いいや。
変わるさ。
だけどどんなに変わろうと、僕は僕のままなんだ。
昔々あるところに、阿良々木暦という変な奴がおったそうじゃーーそしてそやつは今もおる
めでたしめでたし。
ともに走る影から、そんな朗読が聞こえた。
続きが気になる物語だった

本編の大体の部分はこの終物語(下)にて終わりですね。

最後まで、阿良々木くんは阿良々木くんでした。
困っている人を見かけたら、助けずにはいられない。変わっても、変わらない。
やっぱり主人公ですね。かっこいいです。

恐ろしい敵だって、自分を殺そうとする相手だって、得体の知れない怪異だって、ピンチならば助ける。やはりこれは阿良々木くんの〈物語〉でしたね

でも、もう少しだけ続きます。

  続・終物語

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出典:http://sabusoku.blog.fc2.com/blog-entry-4205.html

「あくまでたまになんだけれど、昔から、横断歩道で、こんな風に信号待ちをしていると」
と、僕は言った。
「いざ、信号が青になったとき、どちらの足から踏み出したものか、わからなくなるときがあるんだよな。第一歩は右足なのか、それとも左足なのかーーいっそジンクスのように、どちらかの足から踏み出すか、決めておけばいいんだけれど」
(中略)
「なーんだ、そんなこと」
ひたぎはそう言って、けらけらと笑った。
かつてはそんな風に、快活に笑うやつではなかったのだがーーいまや言われるまでもなく、元気な女の子だった。
「右か左か、どちらの足から前に進めばいいかわからないというのなら、こうすればいいじゃないの」
信号が青になったのを確認し。
左右の安全を確認してからーーぐっ、と。
戦場ヶ原ひたぎは、一旦重心を低くしてから、
「えいっ」
と、両足を揃えてジャンプした。
カンガルーじゃない、蛙なんだ。
彼女の肩を抱いていた僕は、元陸上部の強靭な脚力に引っ張られ、置いて行かれないよう慌てて後に続き、前に進むーー二割り増しで前進する、光の指す方向に飛躍する。
ずっと続いてきた物語を終えて。
思い出を思い、心残りを残し。
余韻と余白を余らせて。
僕達は次なる物語へと、ひとっ飛び。

ああ、終わってしまいました(泣)。

戦場ヶ原の変わりようが凄まじい破壊力です。
これは正ヒロイン、誰も勝てない強さです。
もともとかわいいけど、あの性格があったから均衡が取れていた感があるので、元気な女の子なんかになってしまえば、圧勝なんじゃないでしょうか。

最後のページは真っ白に余白を残しての終わりです。
本当、うまいなぁと感じさせられます。

なんだか切ない気持ちになりました。終わるって切ないです。
その後も見たいなんて思ってしまうのは、人間の業でしょうか。何事にも終わりは肝心。
終わってしまったことよりも、また新たに始まる〈物語〉を心に描き前に進みます。

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  まとめ


出典:https://www.youtube.com/watch?v=wfkgRfBUWLo

最後はやはりこの曲で締めて欲しい。
たぶん見たら泣いちゃうと思います。今も泣きそうです。

物語の締め方を勉強したい、そんな気持ちで書き始めた記事でしたが、なかなかいろんな気持ちを思い出すことができました。

楽しく、面白く、切なく、悲しく、気持ちのいい締め方ばかりでした。

終わりよければすべて良し”なんていいますが、それだけでなく、終わりも始まりも、途中経過も良しにできる人生にしていきたいものですね!

これ以上の野暮はしたくないので、オフシーズン・ネクストシーズンはやめておきます。

阿良々木くんたちの〈物語〉はまだまだ読者の心の中で続いていくのですから。

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